滋賀大学と民間信用調査機関・帝国データバンクの共同研究センターであるDEMLセンターは、コロナ禍の倒産件数予測モデルを開発した。業況、採算性など6指標と日銀短観の業況、貸出約定平均金利、実質実効為替レートなどから予測力の高い結果を出す仕組みで、2020年第4四半期と2021年第1四半期の倒産件数がリーマン・ショック後の世界金融危機当時と比べ、低水準で推移するとの予測が出ている。

 滋賀大学によると、倒産件数予測モデルの指標は業況、採算性に加え、固定費負担、借入環境の量的側面、借入環境の金利面、対外競争力環境。これら6指標を代表する複数の説明変数を情報量基準で選ぶと、日銀短観の業況や販売価格判断指数-仕入価格判断指数、借入環境の量的側面、貸出約定平均金利、実質実効為替レートが選択され、予測力の高い結果が得られる。

 モデルのパラメーター推定値をゆがめる外れ値の影響を軽減するため、仮定からのずれがあってもその影響をさほど受けない頑健推定を行い、適切なパラメーター値を出している。

 倒産件数予測モデルを使い、コロナ禍の倒産件数を予測したところ、2020年第4四半期と2021年第1四半期は世界金融危機当時より低水準で推移すると予測された。

 予測の上限値でも2013年第4四半期から2014年第3四半期の水準で、世界金融危機当時に比べ、貸出約定平均金利の低下や実質実効為替レートの円安化が倒産件数の抑制に寄与するとしている。

参考:【滋賀大学】コロナ禍の倒産件数予測モデルを開発(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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