京都大学経済研究所の宇南山研究室は、マネーツリー株式会社の金融データプラットフォーム「Moneytree LINK※」を使用し、2020年12月1日より新たな家計収支調査プロジェクトを開始する。家計収支調査に不可欠であるデータ収集システムに、家計収支情報を自動収集する技術を学術研究に活用する試みは、国際的にも先端的であり、国内初の取り組みとなる。
家計収支は、現在の日本経済を考える上で最も重要な構成要素の一つであるものの、その調査が困難であることは広く知られている。しかし、今回の連携により、個人からの同意を得た上で銀行口座の出入金やクレジットカードの利用履歴などを自動で収集することが可能になる。個人における調査協力への負担を軽減させることで、アンケートや家計簿を使用した従来の公的統計の限界に挑戦し、これまでにない金融データの構築と実現を目指す。なお、本調査は、日本学術振興会より科学研究費補助金の助成を受け、一定の条件を満たした資産管理アプリ「Moneytree」利用者の同意を得て実施される。
※「Moneytree LINK」は、国内2,700社以上の銀行口座、クレジットカード、電子マネー、マイル・ポイントカード、証券口座の金融データを集約するAPIを提供。Moneytree LINKは金融業界を中心に、新しい価値を提供する中立性の高い金融データプラットフォームとして認知され、現在、みずほ銀行、三井住友銀行、弥生、TKC、地方銀行、信用金庫など合計60社以上に採用されている。
参考:【マネーツリー株式会社】京都大学と家計収支調査プロジェクトで 連携〜国内初、金融データ自動収集技術の学術研究活用で公的統計の限界に挑戦〜