日本学術会議のあり方を検討してきた自民党のプロジェクトチーム(PT、塩谷立座長)は、政府から独立した法人への組織変更を求める提言をまとめ、井上信治科学技術担当相に提出した。日本学術会議も近く、独自の改革案をまとめる方向で、政府は早ければ年内にも改革の方向性を示す考え。

 提言によると、自民党PTは日本学術会議が1949年の設立以来、科学者の代表機関として指名の実現に努力してきたことを認めたものの、政策のための科学というあるべき姿を果たしていないとの認識を示した。

 この状態を改革するために、法律上首相に所轄され、内閣府の「特別の機関」と位置づけられる現在の状況を見直して独立した新たな組織として再出発する必要があると提言した。組織形態としては独立行政法人、特殊法人、公益法人などが考えられるとしている。

 これに伴い、国際アカデミーの基準に合致した日本を代表するアカデミーであることを示すため、何らかの施策を検討する必要があり、組織の透明化やガバナンス機能の強化を図るために第三者機関の設置も欠かせないと指摘した。
独立を求める理由としては、科学の独立性と政治的中立性を組織として担保する必要があるためと説明している。

 日本学術会議の改革は、菅義偉首相が会員候補6人を任命しなかったのをきっかけに表面化した。日本学術会議や大学関係者らが任命拒否の理由を明らかにしない菅首相に抗議し、学問の自由を損なうなどとして批判したのに対し、自民党から日本学術会議の活動などに問題があるとの声が出ていた。

参考:【自由民主党】日本学術会議の改革に向けた提言(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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