学術研究に用いる海洋研究船の航海日数が大きく減少していることが、日本学術会議のまとめで分かった。地球温暖化防止や排他的経済水域での海洋資源開発など海洋研究の重要性が高まっているだけに、日本学術会議は研究航海日数の確保が急務と訴えている。

 日本学術会議によると、海洋研究のための公募型研究航海日数は2009、2010年度に年間1,200日以上あったが、2013、2014年度に800日程度まで減少した。2016年度は500日に満たない数しか予定されていない。このうち、学術研究船の航海日数は2004年度に年間285日あったのに対し、2015年度は「白鳳丸」が157日、「新青丸」が176日に減っている。他の海洋研究船もほぼ同じ状況だ。学術研究船以外で共同調査などに用いられる海洋研究船の2015年度運航日数は、2009年度のほぼ半数ほどまで落ち込んだ。2016年度の航海予定日数は「かいれい」「よこすか」を合わせて50日程度、「みらい」で100日程度となっている。

 運航日数の減少で公募型研究航海の採択率も減少の一途をたどっている。2013年度まで60~80%あった「淡青丸」や「新青丸」の採択率は、2014年度からの3年間で36~44%に下がった。研究航海公募に代替措置がなく、公募の不採択は研究の断念につながりかねない。

 日本学術会議は、共同利用の学術研究船航海が大学院生の教育の場となっていたことから、海洋国家を支える人材育成ができなくなると心配している。さらに、わが国の地球環境研究のイニシアティブを失わせかねない事態だとして、学術研究船で年間200日、その他の海洋研究船で150日の航海日数確保を国に訴えている。

大学ジャーナルオンライン編集部

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