2020年12月16日、日本学術会議は臨時幹事会を開き、独自に検討を進めてきた組織改革案の中間報告をまとめた。梶田隆章会長は幹事会後、井上信治科学技術担当相を大臣室に訪ね、改革案中間報告を手渡した。
日本学術会議によると、改革案中間報告は提言や広報活動を強化するための事務局機能の拡充、会員選考過程を透明化する情報開示などを柱とした。国から独立した組織とする点については、ナショナルアカデミーの要件を満たすかどうか、引き続き検討が必要として明言を避けている。
ナショナルアカデミーの必須要件としては、
・学術的に国を代表する機関としての地位
・公的資格の付与
・国家財政支出による安定した財源の確保
・活動面での独立
・会員選考での自主性確保
-の5項目を挙げた。特殊法人など国の機関以外になった場合も、この5項目すべてに該当するかどうかが判断基準になるとしている。
独自の改革案は政府から年内に提出するよう求められていたが、時間的にすべての問題を議論するのが難しいとして、中間報告とした。日本学術会議は引き続き、議論を重ねていくことにしている。
日本学術会議のあり方は菅義偉首相が会員候補6人の任命を拒否したのをきっかけに、議論に上るようになった。特に、自民党内部では学術会議の活動が政府の方針と反している部分が大きいとして改革を求める声が上がっている。