富山大学の「人材創出プログラム・ENGINE」が本格的に動きだす。信州、金沢の両大学とスクラムを組み、文部科学省の大学による地方創生人材教育プログラム構築事業に採択されたもので、モビリティ・エンゲージド産業(交通・観光・食・インフラ活用)分野で地域の持続的な発展に貢献できる人材を養成する。

 富山大学によると、このプログラムは数理、データサイエンス、AI(人工知能)プログラムを融合、発展させたもので、地域が求める人材に必要な素養を身に着け、地元企業で働く意義などを知って自身のキャリアを形成していくことを目指す。

 各年次における進め方としては、1年次はリテラシー強化を目的にデータサイエンスと地域について履修。2年次はキャリア形成フェーズとして経営やリーダーシップ、三谷産業株式会社をはじめ地元企業の事例を学部ごとに学ぶ。3年次に実践力強化を目指してENGINE認定企業でのインターンシップを体験する。これらに加えて、1~3年次にキャリア形成イベント「大しごとーく」「しごとーく」に参加することでサーティフィケートが授与され、4年次の就職活動へと向かうという流れを予定している。

 富山県は北陸新幹線の開通で首都圏との距離が縮まったが、若者の流出が続き、人口減少と高齢化の進行に苦しめられている。創業者が富山県出身のYKKグループが本社機能の一部を富山県内に移したものの、企業の県外流出が北陸新幹線開通後、加速しており、これまでの思考とは異なる視点から地域の再生が求められている。

 富山大学の齋藤滋学長は「学生が地方自治体や地元企業とともに地域を育てていくのがこのプログラムの使命。地域社会との直接的なつながりの中で生まれる知と実践力で地域活性化を果たしたい」と意気込んでいる。

参考:【地域基幹産業を再定義・創新する人材創出プログラム「ENGINE」】教育プログラム・富山大学

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