2025年7月18日、成蹊大学理工学部の「応用Pythonプログラミング」(担当教員:櫻田 武教授 [スマートニューロリハビリテーション研究室])の講義の集大成として、Pythonを使ったプログラミングで実装したIoTロボットカーによる競技会が開催された。

 「応用Pythonプログラミング」の教材となるロボットカーは、操作に一般的なリモコンではなく筋肉に力を入れたときに生じる生体信号を使用した。学生たちは講義を通して生体信号に関する理解を深めながら実際に信号を計測・解析し、ロボットカー操作のための指令をWiFi経由で送信するシステムをPythonで実装、左右の手に力を入れるとそれぞれに対応するタイヤを動かせるようにした。

競技会には4名1チーム、全10チームが参加し、障害物が配置されたコースをリレー形式で走らせタイムを競った。速度だけでなく、操作技術やチームワーク、技術的工夫も重要で、ロボットカーには個体差があり、同じプログラムコードでも動作の違いが見られたため、レースの合間にプログラム改良や車体調整が随時行われ、現場での課題解決力や連携力も発揮された。

学生は1年次にプログラミングの基礎を学んでおり、本講義ではチームごとにゼロからコード設計・実装を担当した。学生からは「1年生のときは言われた通りにコードを書いていたが、この授業では自分たちで考えて構築する必要があり、工夫のしがいがあった」、「プログラミングに苦手意識があったが、仲間と取り組む中で実装したプログラムの内容を説明できるくらい力が身に付いた」という声が聞かれた。

担当の櫻田教授は「ロボットカー実装を通じ、プログラミングスキルだけでなく、生体信号や電子回路、通信などものづくりを構成する多様な技術に触れてほしい。その中で科学・工学分野も含め、興味が持てるものを見つけ、自分の強みを伸ばしていってほしい」と述べている。

成蹊大学理工学部では「専門性×ICT」を特徴とし、社会の変化に合わせた専門の発揮を目指している。特に機械システム専攻では、ハードウェア(モノ)とソフトウェア(ICT)を融合したデジタルエンジニアリング人材を育成する実践的カリキュラムを展開している。また、理系分野の融合、専門を持つ人とのコラボレーションといった「新しい理系」の資質も重視して学びを深めている。

参考:【成蹊大学】成蹊大学理工学部の「機械×生体×情報」を学ぶ特色ある実習実験 Pythonで実装したIoTロボットカーによる競技会が開催されました

大学ジャーナルオンライン編集部

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