2025年8月12日、人事院は2025年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)及び 専門職試験(大卒程度試験)の合格者を発表した。一般職試験の合格者は、現行の試験体系となった2012年度以降最多の8,815人に達した。法律など専門試験を課さずに判断力や思考力、企画力などを問う「教養区分」を新設したことが効果を上げた。

 人事院によると、一般職試験の申込者は2万5,437人で、前年度を1,197人上回って3年ぶりに増加に転じた。受験者は前年度より943人多い1万8,406人、合格者も前年度を1,258人上回った。申込倍率は合格者の大幅増で過去最低の2.9倍を記録している。

 合格者の内訳は行政区分が5,846人、技術系区分が1,206人、新設された教養区分が1,763人。前年度に比べて行政区分は229人、技術系区分は276人少なく、教養区分の新設が合格者総数を押し上げた格好。

 教養区分では法律学や化学などの専門試験は課さず、一般的な教養や、速く正確に課題を解く能力に関する試験を実施。大学3年生(4月1日に20歳を迎えている人)から受験できるため、国家公務員採用試験に早期から挑戦したい学生、民間企業等との併願を検討したい学生もチャレンジしやすい。今回、大学3年生など20歳の合格者数は868人おり、教養区分合格者の49.2%を占めた。
 
 女性の合格者数は4,152人で、前年度より902人増えた。合格者全体に占める女性の割合は47.1%に達している。女性の合格者数、女性の合格者割合とも過去最高となった。

 労働基準監督官や海上保安官など専門職試験(大卒程度試験)7種の合格者は、4,944人だった。

参考:【人事院】2025年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)及び 専門職試験(大卒程度試験)の合格者発表~今年度から教養区分を新設、合格者は1,763人(試験全体の20%)~

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。