千代田区では2025年度から、学びへの意欲と高い志を持つ子どもたちが安心して学業に専念できるよう、高校3年生~既卒2年目を対象に給付型奨学金事業を開始した。募集人数は2026年4月入学予定者15名。返済不要・所得制限なし・学部の縛りなしの奨学金で、所得制限を設けていないのは全国的に数少ない試みとなる。
千代田区の「給付型奨学金事業」は、子どもたちの「学びたい」という気持ちを力強く支え、将来社会で活躍する優秀な人材の育成をめざすもの。所得が高い家庭であっても子どもの人数が多ければ教育費の負担が大きくなるため、少子化対策の要素も踏まえ、親など生計維持者の所得制限は設けない。
給付対象となるのは、国または地方公共団体から対象となることの確認を受けた「確認大学等」に該当する大学、短期大学、高等専門学校(4年次から5年次)、専修学校(修業年限2年以上の専門課程)。給付額は各大学等の規定する授業料・施設整備費・教育充実費相当額上限80万円(前期40万円、後期40万円)、入学料上限20万円(入学時のみ/1回限り)。給付期間は各大学等の正規の修学年限(最短就業期間)で、6年制の場合は6年間となる。
申込者の条件として、日本国籍もしくは法定特別永住者・永住者の資格を有すること、申込日において千代田区に3年以上居住し、高校3年生から既卒2年目以内で20歳になった年度内であること、成績が5段階評価で評定平均4.0※以上(高3生の場合は高1・高2の成績、既卒生は高校3年間の成績)で、学校長の推薦を得られることが必要となる。
※要件を満たす学校(成績緩和指定校)の生徒は3.5もしくは3.8
応募の際は身分証明書類とともに、1,000~1,200文字程度の学習計画レポート(ワードファイルで本人が作成)、学校長の推薦状、成績証明書類、成績緩和指定校申請書(該当者のみ)を提出する。
一次選考は、成績表と推薦状のほか、筆記試験の結果で審査する。筆記試験は9月20日(土)に千代田区役所本庁舎にて、英語・数学または英語・国語(新旧課程対応)のマークシート方式で行う。試験時間は各80分。英語はリスニングなし、数学は数ⅠA・ⅡB 、国語は古文・漢文を含む。共通テストレベルの難易度を想定しており、サンプル問題は千代田区公式サイトに掲載されている。
二次選考は、10月上旬頃、提出された学習計画レポート及び個人面接により審査する。二次選考受験者の上位15名を奨学生候補者として決定し、11月上旬頃に通知する。辞退者(浪人希望等)があった場合、順次次点(16位以降)より繰り上げる。
申込期間は2025年7月20日(日)から8月20日(水)で既に締め切られている。次年度以降、申込期間が変更となる可能性がある。