学校法人日本大学は、運用を休止している音楽ホールの日本大学カザルスホール(千代田区神田駿河台)について、運用再開に向けた協議を千代田区と進める方針を明らかにした。日本大学が施設を千代田区に貸し出す方向で議論に入る。
日本大学によると、カザルスホールは主婦の友社ビル跡地で1987年に開館した。オフィス・音楽ホールとして開発されたA館、B館、C館の3棟で構成し、主婦の友社の子会社であるお茶の水スクエアが運営していたが、このうちのA館は日本大学カザルスホールとして2003年から運用されている。名称はスペインの著名なチェロ奏者・パブロ・カザルス氏(1876~1973年)にちなむ。
日本大学カザルスホールは鉄骨鉄筋コンクリート地下3階、地上13階建て延べ約2万2,000平方メートル。法科大学院、理工学部など大学施設としても活用されてきたが、音楽ホールとしては2010年以降、使用されていない。
日本大学の林真理子理事長は2022年の就任記者会見で卒業生らから寄付を集め、カザルスホールを復活したい考えを明らかにした。2023年の就任1年の記者会見では、2026年の再開業を打ち上げている。千代田区との協議では、カザルスホールが持つ歴史的、文化的価値を共有したうえで、改修計画や管理運営体制などについて詰めることにしている。
参考:【千代田区】千代田区と日本大学 カザルスホール運用再開に向け協議開始~未来に向けた新たな音楽文化の発信拠点を共に創る~