自民党の教育再生実行本部(本部長・桜田義孝衆議院議員)は、大学の授業料を就職後の出世払いとする提言を安倍晋三首相に提出した。学生本人の負担分以外は政府が受け持つとしており、これまで親の負担となってきた授業料を本人と社会で分担する考え。今後、政府内で検討される見通しだという。

 提言によると、大学の授業料など教育費の負担が少子化の一因になっているなどとして、これまでと次元の異なる教育投資が必要と指摘。財源は所得税、相続税などの増税や社会保険料に上乗せする「こども保険」、国債の活用を検討するとしている。

 本人負担はオーストラリアが導入している大学授業料の出世払いを参考に、大学在学中は授業料を免除し、就職後の所得に応じて納付する方式を提案した。納付分は国債償還財源の一部などに充てる仕組みを考えている。政府は教育無償化の検討を進めているが、形の上では貸与型の奨学金に似ている。

 日本の経済成長を牽引する人材育成では、観光やデザイン、ファッション、ヘルスケア、ITといった分野で専門職大学の制度化と充実が急務とした。
それと同時に、1つの専門分野に精通しながら、他の分野に対しても専門性を持つT字型人材(高度デザイン人材)の育成が必要として、既存学部の見直しや海外の大学との連携を図るための教育制度改革を進めるよう求めている。

参考:【自由民主党】教育再生実行本部第八次提言

大学ジャーナルオンライン編集部

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