筑波大学・山際伸一准教授(システム情報系)と 九州工業大学・坂本比呂志教授(大学院情報工学研究院)は、ビッグデータ時代を見据えた新しいロスレスデータ圧縮技術※「LCA-DLT(Lowest Common Ancestor-Dynamic Lookup Table)」を共同開発しました。

プレスリリースより

プレスリリースより

 新開発の圧縮技術「LCA-DLT」は、データの転送を一時的に溜めることなく、連続的に圧縮・復号化可能にする高速データ圧縮技術です。リアルタイムに、データを1/10 のサイズにまで縮小でき、銅線や光ケーブルなどの伝送媒体を変更せずに、ネットワークなどの通信速度を最大で10 倍、高速化できます。この技術によって、ビッグデータを扱う機器の通信性能やデータ保存容量を格段に飛躍させることができ、現在、莫大なデータ量を扱うことが課題となっているライフログ※などの次世代アプリケーションをコンパクトに実装できるようになります。

 このLCA-DLT技術により、既存のインフラでも、データ伝送量や伝送速度を大幅に向上させることが可能となり、コスト削減にもつなげることができます。今後は、大量のデータを保管する「データセンター」向けのストレージサーバや、超高音質音源の無線伝送などへの応用展開が期待されています。

※ロスレスデータ圧縮とは、圧縮されたデータが復号化によって元に戻る圧縮方法で、可逆圧縮ともいいます。一方、JPEG などの画像圧縮は非可逆圧縮と呼ばれ、圧縮前のデータに戻すことができません。
※ライフログとは、ウェアラブルデバイスを用いて、日々の身体の活動や行動、心拍や脈拍などの情報をビッグデータとして蓄え、健康管理や生活のアドバイスを行う次世代アプリケーションです。

出典:【筑波大学】ビッグデータ時代に対応した新しいロスレスデータ圧縮技術を開発~コンパクトにハードウェア実装可能な高速ストリームデータ圧縮・復号化技術~

大学ジャーナルオンライン編集部

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