山口大学洞穴研究会、美祢市立秋吉台科学博物館および日本洞窟学会企画運営委員会などは7月24日、合同調査により国指定特別天然記念物の鍾乳洞「秋芳洞」を再測量し新空間を発見したと発表した。

 この再計量は、美祢市の「Mine秋吉台ジオパーク活動応援事業」の支援により平成28年度から実施されている。今回、発見されたのは洞内の二番目に大きいホール「須弥山」の天井部の新空間である。秋芳洞観光ルートの「黒谷支洞」に匹敵する規模の空間で、直径10mのチューブ状に約300メートルにわたって延びており、約80mの高低差があるという。
これはかつて地下水面が現在の秋吉台上よりも上にあった時代、深度100m超える巨大な水中洞窟が形成され、秋芳洞の原型になったという学説の可能性を示唆するもの。新空間が発見されたのは18年ぶりとなる。

 今回の発見により、秋芳洞の総延長距離は従来の8850mから10300mに延長し、全国3位となった。まだ未探検の空間が数百m以上残されていることから、今後さらなる距離延長が期待されるという。

 今後は未探検空間として残されている数百m以上の探検などを行い、科学的データを蓄積するとともにケイビングガイドツアーなどの新しい観光コンテンツの開発に結び付けていくことを目指す。

 山口大学洞穴研究会は1955年に設立され、設立62年目を迎える山口大学公認団体。現在は女子学生を含め部員13名が所属し、洞窟の探検・探索などの調査活動や研究活動、フィールドワークのためのトレーニングなどを行っている。

大学ジャーナルオンライン編集部

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