企業の採用活動を支援するサイトを運営する株式会社アイデムは、全国の大学270校・キャンパスを対象に、キャリア支援・就職支援に関する実態調査を実施。その調査結果を公表した。
調査によると、2015年から施行されている「若者雇用促進法」に取り組んでいる大学は66.4%で、2016年の調査に比べ、14.5ポイント増加。取り組みの内容は「求人票を受け付ける企業に、詳細な雇用情報の提供を求める」が77.8%で最多だった。
学生の保護者に対して就職活動に関連した取り組みを進めている大学は、82.0%。私立大学で87.9%なのに対し、国公立大学では64.7%と低かった。取り組みの内容は「保護者向けガイダンスの開催」が最も多く70.2%、続いて「保護者向けの個別面談や相談会の実施」56.9%だった。
2018年3月卒業予定の学生に対する求人票の受付社数は、私立大学では平均7499.5社、国公立大学では平均7243.9社。全体の平均は7433.9社で2016年の5747.1社を大きく上回る結果となった。
また、大学が把握している学生の内定率は、2017年卒の学生と「同程度」が51.3%、「高い」が40.1%で、学生の売り手市場による採用難や人材不足、景気回復等を背景に、企業側の採用拡大傾向が見られた。
近年、企業がインターンシップ参加学生を自社の新卒採用選考に誘導するなど、インターンシップが実質的に選考の手段となっている場合がある。このような選考につながるインターンシップについての考えを聞いたところ、「賛成」もしくは「どちらかと言えば賛成」と回答した大学は38.8%、一方、「反対」もしくは「どちらかと言えば反対」が61.2%だった。また、国公立大学では、私立大学よりも反対派の割合が高く、76.2%と4分の3を超えた。
反対の理由としては、「学生の視野が広がる前の囲い込みは、ミスマッチにつながる恐れもある」、「仕事理解・業界研究のためにインターンシップがあり、その体験を踏まえて就活に入っていくプロセスが理想的である。また、地方と都市ではインターンシップに参加できる条件(移動時間や開催地など)にも格差があり、選考誘導のインターンシップは不公平であり、望ましくない。」などが挙げられた。