2023年春に大学を卒業する学生の内定率が2022年12月現在で84.4%に達し、コロナ禍で落ち込んだ企業の採用意欲が顕著に回復していることが、文部科学、厚生労働両省の調査で分かった。前年同期に比べ、内定率は1.4ポイント上昇している。

 調査は全国の大学、短期大学、高等専門学校、専修学校専門課程計112校の6,250人を無作為抽出し、電話や面接で就職の内定状況を聞き取った。

 それによると、大学生の内定率は84.4%。コロナ前の2019年の87.1%には届かなかったが、2008年のリーマンショック後では5番目に高かった。うち、国公立大学が前年同期を1.7ポイント上回る88.0%、私立大学が1.4ポイント上昇の83.3%と、ともに企業の採用意欲回復がうかがえる結果となった。

 男子学生は前年同期比1.5ポイント増の82.8%、女子学生は1.5ポイント増の86.5%。理系学生は前年同期を0.6ポイント下回る86.7%にとどまったが、文系学生は83.9%に達し、前年同期を1.8ポイント上回った。地域別では、関東地区の内定率が最も高く、前年同期より3.2ポイント高い89.9%となった。

 短大生は前年同期より6.6ポイント上がって69.4%、高専生は5.4ポイント高い96.6%、専修学校専門課程の学生は前年同期を0.4ポイント下回る69.8%だった。

 文科省は新型コロナウイルス感染拡大の影響が落ち着き、企業の求人状況が改善した結果が数字に表れたとみている。

参考:【文部科学省】令和4年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(12月1日現在)

大学ジャーナルオンライン編集部

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