東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター(Cedep)とベネッセ教育総合研究所は共同で、「乳幼児の生活と育ち」研究プロジェクト※を進めている。今回、2017年に実施した第1回調査の結果を公表した。
調査は、0歳6か月から1歳5か月の子どもをもつ母親2,975名・父親2,624名を分析。0~1歳児の母親の74.1%、父親の68.8%が、もっと子どもをもちたいと希望。しかし、「もっとほしいが難しい」と答える母親は28.6%、父親は22.3%だった。
「もっとほしいが、難しい」と回答した人の理由は、1位「子育てや教育にお金がかかるから」(母親81.4%、父親81.3%)、2位「子育ての身体的な負担が大きいから」(母親49.9%、父親36.0%)、3位「子育てと仕事の両立が難しいから」(母親37.4%、父親26.4%)だった。世帯年収が800万円以上の層でも約7割が費用面を理由に挙げた。これらの結果は、個人が希望する子どもの数をもてるようにするために、経済的な不安感の軽減が最も必要であることを示している。
また、夫婦で助け合ったり、祖父母のサポート、地域のサポートを得て行う“チーム育児”をしている家庭は、子どもをあと1人以上「もつ予定」の比率が、そうでない家庭に比べ高かった。夫婦で助け合う“チーム育児”をしている家庭では、父親の平日の子育てが「2時間以上」の家庭が29.0%。特徴として、「定時で帰りやすい雰囲気がある」など父親が仕事と子育てを両立しやすい職場で働いていることもわかった。
※「乳幼児の生活と育ち」研究プロジェクトは、同一の親子を対象に、複数年にわたる継続調査によって、子どもが育つプロセスや親の関わり方の影響を明らかにするのが目的。
参考:【東京大学 Cedep・ベネッセ教育総合研究所】東京大学Cedep・ベネッセ教育総合研究所 共同研究 「乳幼児の生活と育ちに関する調査2017」結果速報(PDF)