静岡理工科大学理工学部の校舎「建築学科棟えんつりー」が、日本デザイン振興会から2018年度のグッドデザイン賞に選ばれた。東京都港区の東京ミッドタウンで31日から開かれる受賞展で紹介される。
静岡理工科大学によると、建築学科棟えんつりーは2017年3月の完成。鉄骨4階建て延べ約3,400平方メートルで、脇坂圭一教授、丸田誠教授らが企画し、東京都新宿区のナスカ1級建築士事務所と建築家の古谷誠章さんが設計した。建築学科の講義室や実習室に加え、吹き抜けで開放感にあふれるラウンジを設け、異彩を放っている。
大学の地域連携の拠点となることから、建物自体を地域の縁側に見立て、何層にもわたって立体化された巨大な軒下空間を設けた。建物の外観が与えるインパクトは大きく、建物内部を前庭と一体化させることで人々を引き寄せる魅力を持たせている。
校舎そのものを建築学科の学生の生きた教材になるよう工夫したのも特徴。力の流れが把握できる構造、地域防災の拠点となる災害に強い構造などが露出され、多様な床や壁、天井の素材、照明器具、家具が取りそろえられた。
接合部に鋳物を使用することで滑らかにつなぎ合わされた樹状柱は、この建物のシンボル。山に囲まれた自然豊かなキャンパスで自然の樹林と一体になっている。