京都大学と検索エンジン開発のフォルシア株式会社は、ホテル、レンタカー、美容院などサービス産業の予約パターンに普遍的な数理法則があることを見つけた。人々の予約パターンが業界や市況によらず、指数関数的であることを統計的に立証した。
フォルシアによると、フォルシアは京都大学大学院情報学研究科の梅野健教授らと2018年からさまざまな商材で発生する在庫ロスなど需給バランスの不整合による社会課題の解消を目指し、需給状況に応じた最適価格設定の共同研究を進めてきた。
その中で顧客の行動特性を指数関数への類似性で分類し、顧客ごとの行動パターンの違いを予約数の累積時系列を示す曲線に落とし込んだところ、人々の予約パターンが指数関数的であることを見つけた。この結果は、ビジネス環境下の競争力や顧客の特徴といった通常、数値化することが難しい特性を定量化する新しいマクロ指標を構築できる可能性を示したものと考えられている。
サービスの予約行動に対する経済物理学的なアプローチは世界でも珍しい。フォルシアは鉄道をはじめとする公共インフラなどこれまで、需給状況に応じた最適価格設定が適用されてこなかった業界への社会実装が可能になるとみている。
論文情報:【Scientific Reports】Average booking curves draw exponential functions