京都大学工学部は、2026年度より電気電子工学科が130名から142名、情報学科が90名から98名へ、あわせて20名の定員増を文部科学省に申請している(意見伺い)。この定員増は、大学・高専機能強化支援事業(高度情報専門人材の確保に向けた機能強化に係る支援)によるものとなっている。

 2025年度入試では、同事業により筑波大学18名増、横浜国立大学23名増、名古屋大学34名増、大阪大学60名増、神戸大学43名増などあわせて340名の入学定員が国立大学で純増した。いずれも成長分野である「情報系」に係る学部学科となっている。

 また、改組や教員養成系学部や夜間主コースからの定員振替による国立大学「情報系」定員増に関しては、理工系や文理融合系学部の新設により、秋田大学20名増、山形大学20名増、山梨大学10名増、滋賀大学50名増、和歌山大学30名増、山口大学40名増であわせて170名が増員した。

 2026年度入試において、現時点では国立大学は京都大学のみが定員増予定となっているが、公立大学や私立大学で情報系学部の新設や定員増が多くなっており、引き続き、文理融合を含む情報系の募集定員枠が大きく増加する見込みとなっている。

 大学・高専機能強化支援 支援2(高度情報専門人材の確保に向けた機能強化に係る支援)による定員増の詳細は以下の通り。

<2026年4月 国立大学情報系学部学科の定員増>計20名
京都大学 工学部 電気電子工学科 130→142
京都大学 工学部 情報学科 90→98

<2025年4月 国立大学情報系学部学科の定員増>計340名
福島大学 理工学群 共生システム理工学類 160→200
茨城大学 工学部 情報工学科 90→100
筑波大学 理工学群 工学システム学類 130→138
筑波大学 情報学群 情報科学類 80→86
筑波大学 情報学群 情報メディア創成学類 50→54
横浜国立大学 理工学部 数物・電子情報系学科 287→310
新潟大学 工学部 工学科 530→535
新潟大学 創生学部 創生学修課程 65→70
岐阜大学 工学部 電気電子・情報工学科 174→194
名古屋大学 情報学部 自然情報学科 38→44
名古屋大学 情報学部 コンピュータ科学科 59→67
名古屋大学 工学部 電気電子情報工学科 118→128
名古屋大学 工学部 機械・航空宇宙工学科 150→160
三重大学 工学部 総合工学科 400→430
大阪大学 工学部 応用自然科学科 217→222
大阪大学 工学部 電子情報工学科 162→190
大阪大学 基礎工学部 電子物理科学科 99→103
大阪大学 基礎工学部 システム科学科 169→174
大阪大学 基礎工学部 情報科学科 83→101
神戸大学 システム情報学部 システム情報学科 0→150 ※2025年4月新設。工学部 情報知能工学科107名募集停止
奈良女子大学 生活環境学部 文化情報学科 45→57
広島大学 工学部 第二類(電気電子・システム情報系) 90→100
広島大学 情報科学部 情報科学科 150→180

 また、大学全体の定員増を伴わない、改組による理工系(情報系等)学部学科または文理融合系学部の新設・定員増は以下となっている。

<2025年4月 国立大学 新設・改組>計170名
秋田大学 総合理工学部・情報データ科学部 395→415 ※理工学部より2学部へ改組、教育文化学部20減
山形大学 社会共創デジタル学環 30 ※理学部10減・人文社会科学部10減・地域教育文化学部10減。理学部10減があるため、文理融合系としては20名増
山梨大学 生命環境学部 生命工学科 40→50 ※教育学部10減
滋賀大学 データサイエンス学部 100→150 ※経済学部夜間主コース50減
和歌山大学 システム工学部 295→325 ※教育学部30減
山口大学 ひと・まち未来共創学環 40 ※経済学部15減・教育学部25減

参考:【文部科学省】令和8年度からの国立大学の収容定員の増加に係る意見伺い一覧(PDF)

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