全国の高校生の大学入試出願校数が平均2.4校と低水準で推移し、第一希望比率は68.5%と高い数値で横ばいで、進路選択に納得している割合が約9割に達していることが、リクルート進学総研の全国調査「進学センサス調査2025」で明らかになった。

 調査は2025年3~4月、2025年春に高校を卒業予定の男女約23万人を対象にインターネットを通じて実施、約4万人の有効回答のうち、大学進学を決めた約2万7000人の回答を集計した。対象者は「高校2年」時にコロナ禍が収束した学年となる。前回調査は2022年に実施している。

 入学年の前年中に実施されるいわゆる「年内入試」(総合型選抜・学校推薦型選抜)では53.4%が進学しており、「年明け入試」(一般選抜・共通テスト利用入試)44.2%を9.2ポイント上回った。年内入試による入学率が過半数を超えたのは初めてで、進学先早期決定の傾向がより顕著になっている。

 第一志望校へ進学を決めたのは前回より0.2ポイント高い68.5%。このうち、年内入試で第一志望校へ進学を決めたのは前回より7.6ポイント高い67.1%。自身の進路選択に納得しているかどうかは、合計で87.2%が「そう思う」と回答。特に総合型・学校推薦型選抜の利用者では91.9%が納得していると回答している。

 大学入試の平均出願校数は2.4校で、前回調査に比べ0.3校減。2回連続で減少している。資料請求数は前回より0.7校少ない平均6.3校、オープンキャンパス参加校数は前回より0.8校多く、コロナ禍前とほぼ同水準の平均3.7校だった。

 リクルート進学総研の小林浩所長は「18歳人口の減少で私立大学の定員充足率が過去最低を記録する中、進学先の決定の前倒しは進んでいる。第一志望比率、進路選択の納得度が共に高いことから、安易に決めているというより、志望校に入りやすい状況になっていると言えるのではないか。大学側は学生確保に向け、早期に動く必要性が高まっている」と分析している。

参考:【リクルート進学総研】一人当たり出願校数の減少続く。進学先「早期決定」が主流派に総合型・学校推薦型選抜の進学者、9割超が進学に納得(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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