多摩大学が2008年度から開講しているリタイア人材向けのリレー講座「現代世界解析講座」の延べ参画者が14万人を超えた。2019年度秋講座は8月初旬に詳細を公表するが、多摩大学はリタイア人材の社会参画推進に向け、講座内容の充実に努める。
多摩大学によると、リタイア人材向け講座は大学がある東京都多摩市の多摩ニュータウンが定年退職した高齢者層が集積した場所になっていることを受け、2008年度から春講座と秋講座に分けて開催している。
地域のリタイア人材が社会参画するために「知の再武装」を提唱し、社会参画に必要な時代認識を深める講座を企画するのが狙い。リタイア人材約400人と学部学生約150人が毎週木曜日の4限に同じ講座を受け、リタイア人材のリピーター受講率は80%を超えている。
2019年度の春講座からは神奈川県藤沢市の湘南キャンパス、東京都千代田区の九段サテライトでもライブビューイング配信を実験的に進めている。10月初旬に開講予定の2019年度秋講座でも、ライブビューイング受講生を募集する。
多摩ニュータウンは東京都多摩市、稲城市、八王子市、町田市にまたがる多摩丘陵にある国内最大規模のニュータウンで、1971年から入居が始まった。人口は20万人を超すが、高度経済成長期に日本経済を支えた高学歴の企業戦士とその家族が多く、高齢化の進行が課題になっている。
参考:【多摩大学】多摩大学が立ち向かう大都市郊外型高齢化の実践的活動 寺島実郎学長監修「現代世界解析講座」の2019年秋学期を開講