玉川大学・玉川学園は、東京都町田市にある大学敷地内に9階建ての中高層純木造学生寮を建設するプロジェクトに着手した。
1~9階の構造体(柱・梁・筋交)は、日本で古くから発達してきた伝統工法「木造軸組工法」を導入。教育施設では日本初となる木造9階建てで、国内最大級の木造の学生寮となる予定。緑豊かな玉川学園のキャンパスと調和した、地域全体のサステナブルなランドマークとしてデザインし、内装にも木材を積極的に使い、寮生が過ごしやすい温かみのある居住空間とする。
内装材には学園内の間伐材を一部活用、外壁材には国産間伐材をチップにして使用した窯業系サイディングを採用。森林資源を活用した環境に優しい学生寮を目指す。学生寮に木造建築を採用した理由は、2010年10月1日施行された「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」により、積極的な木材利用が地球環境、社会貢献に寄与すること、また、キャンパス内の樹木が更新時期であり伐採材の有効活用も推進したい考えから。
1~5階は2時間耐火構造、6~9階は1時間耐火構造とし、柱や梁には国土交通大臣認定を取得した燃え止まり型の木質耐火部材を採用する。木造軸組床の2時間耐火仕様の採用は日本初。最新の木構造・耐火技術を結集し、従来の工法より低コストかつ安全な木造9階建て学生寮を完成させることで、木材利用を推進する中高層ビルのモデルケースとなることが期待される。
工事が始まるのは2021年3月から。今後、この取り組みを広く知ってもらうよう、構造体見学会・竣功見学会を実施する予定。