法科大学院に対する国の補助金算定方法が変わるのに伴い、2016年度に駒沢大学、近畿大学、北海学園大学、西南学院大学4校の補助金がゼロとなることが、文部科学省のまとめで分かりました。交付ゼロとなるのは初めて。法科大学院は応募者数の低迷で募集をやめる大学院が相次いでいますが、補助金がカットされると給与の一部が赤字となるため、大学院運営がさらに厳しさを増すところが出てきそうです。
文部科学省によると、新しい算定方法は2015年度から導入したもので、司法試験の合格率などをもとに補助金の基礎額を教員給与の0%から90%に設定、各校の教育力向上に向けた取り組みに応じて加算する仕組み。0%となっても他校との連合など抜本的な取り組みがあれば加算されますが、4校はこうした取り組みも見られず、補助金ゼロになりました。
教授による司法試験問題の漏洩事件が起きた明治大学は、補助金加算を目指す取り組みを文科省に申請していましたが、「社会的に重大な事件を起こした」として取り下げました。基礎算定額60%のままで、補助金額が40%減額されます。
これに対し、補助金配分が多かったのは、早稲田大の145%をトップに、東京大学135%、一橋大学130%、慶應義塾大学、京都大学各120%と続きます。2016年度の補助対象となる43校のうち、従来支給されてきた補助金額を上回ったのは早稲田大など10校で、残り33校は下回りました。
加算を目指す取り組みには41校が申請し、国際化に対応したプログラムを提示した同志社大、地域との連携を掲げた岡山大など7校が最も高い加算を得ました。しかし、南山大など7校は加算が一切認められませんでした。