長時間にわたるビデオゲームが言語知能など発達期の子供の脳に悪影響を与えかねないことが、東北大学加齢医学研究所の竹内光准教授、川島隆太教授らの研究で明らかになりました。脳画像解析などを用い、発達期のゲームプレイが言語知能、神経メカニズムにどう影響するかを解明した研究は画期的で、米国の精神医学雑誌「モレキュラー・サイカイアトゥリー」電子版に掲載されました。
東北大学によると、研究対象としたのは悪性腫瘍や意識喪失を伴う外傷経験のない5歳から18歳の発達期の子供で、平均年齢11歳。ビデオゲームのプレイ時間を聞き取ったあと、知能検査とMRI撮影をし、3年後に一部の人に再び知能検査とMRI撮影を実施。約200人のデータを解析し、ゲームプレイが脳の発達にどんな影響を与えたかを調べました。
その結果、ゲームプレイ時間の長さと言語知能の低さに関連が見られ、3年後の追跡調査でその傾向がより強くなっていました。しかも、長時間ゲームをする子供の脳内では、高次認知機能や記憶、意欲に関係する前頭前皮質、海馬などの領域に発達の遅れが見られたとしています。
研究チームは、ビデオゲームの長時間プレイが好ましくない神経系の発達や言語知能の遅れにつながることを示唆したとみており、発達期のゲームプレイが長時間にならないよう注意を喚起しています。