文部科学省は国立大学法人の戦略的経営を検討する有識者会議に人口減少時代を迎えた定員のあり方に関する論点を提示した。今後、社会変革の原動力となり、地域の知の拠点として活動するための国立大学の適正規模について、有識者会議で議論を重ねる。

 文科省によると、提示した論点は3つの観点から定員のあり方検討を求めている。内容は①国内の18歳人口が20年後に現在より約30万人少ない約88万人になると推計される中、知識集約型の社会への転換を支えるためにどの程度の定員が必要か②ポスト・コロナの新たなデジタル時代を支える知のインフラとして求められる定員は③47都道府県の知の拠点と活動するために必要な定員は-で、組織の効率化や社会人学生、留学生の確保なども含めて検討する。

 国内の18歳人口は2005年に約137万人いたが、2019年には約117万人となり、19万人以上減少した。この間、大学進学率は51.5%から58.1%へ上昇したものの、大学と短期大学を合計した進学者数は約70万人が約68万人に減っている。

 国公私立大学、短大の入学定員は4年生の定員が増加傾向にある一方、短大が減少しており、1999年をピークにして最近は66万人前後で推移している。

参考:【文部科学省】国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議(第9回) 配付資料
資料2 学生視点からの国立大学の収容定員総数の在り方について

大学ジャーナルオンライン編集部

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