金沢工業大学(石川県野々市市)は2016年度から、グローバル社会に向けイノベーション創出を可能とする新たな教育の取り組みを始めると発表。「世代・分野・文化を超えた融合教育」を実践し、7,000人の在学生1人ひとりにあったカリキュラムを構築する。それによって、世界の舞台で活躍できる人材を育てる「アクティブでオープンな夢考房キャンパス」へと変革を行い、そこで学生は自らの夢やビジョンを実現するべく知的創造活動に取り組んでいく。
“世代を超えた融合教育”については、個々の研究室のほかに、カリキュラムの主柱である「プロジェクトデザイン教育」(問題発見・解決型教育)を軸に学部・大学院まで一貫した7つのクラスター研究室を創設して、連携して社会の多様な課題に取り組む。クラスターには企業の技術者、地域の人たちにも参加してもらい、学生が世代を超えて多くの人たちと関わることで、コミュニケーション能力やイノベーション創出能力を高めることが狙いだ。
“分野を超えた融合教育”では、異なる領域の専門分野や基礎研究・製品開発研究の融合領域を強化し、イノベーションを絶え間なく創出できる学風とシステムを構築していくという。また、全702科目の授業と多分野にわたる課外プロジェクト活動(128種)との関連を明示する「eシラバス」を2016年度から本格運用。授業と課外プロジェクトとの多種多様な組み合わせにより、学生それぞれが自身にあったカリキュラムで学べる仕組みを導入する。イノベーション創出の基盤となる知識・スキルに関しては、「学生同士が教え合う」という同大学独自のアクティブラーニングを2016年度から全科目で導入し、確実な定着を図る。
“文化を超えた融合教育” については、2016年度から専門基礎科目とプロジェクトデザイン科目の一部を英語で実施。そして、4年後の2020年には全授業科目の約50%で英語を軸とした授業運営を行う予定だ。提携校のロチェスター工科大学(米国)とはジョイントディグリーにむけて授業開発を進めるほか、「プロジェクトデザイン教育」の海外輸出も推進。これにより、海外に出て行く「グローバル化」から、世界から多くの学生が「共同と共創による価値」を求めて同大学に集まる「新時代の夢考房キャンパス」へと変革を行い、異文化理解を深め、協働する力を養う教育研究システムを構築していく。