株式会社リクルートが提供する進路情報メディア『スタディサプリ進路』は、スタディサプリ編集部の高校生エディターと公式LINE登録者を対象に“生成AI”についてアンケートを実施した。結果、学校や学習における使用シーンは、「総合的な探究の時間などの調べ学習」が1位に。生成AIからの回答の扱いは、「自分なりの解釈で情報を整えて使う」が1位で6割を超えた。有効回答数688人(男子256件、女子422件、回答しない10件)

 「生成AIを使ったことがあるか?」と尋ねたところ、83.1%もの高校生が「はい(現在も使っている)」と回答。高校生にとってはすでに生成AIは日常になじみつつあるツールとなっているようだ。

 学校や学習観点での生成AIの使用シーンを聞くと、1位「総合的な探究の時間などの調べ学習」(58.1%)、2位「課題の自己採点や添削」(42.2%)、3位「生成AIを活用した教材やテスト問題の活用」(26.1%)となり、リサーチや、自習のシーンで時短につながるような使い方をしているようだ。

 また、生成AIに質問をした時に返ってくる回答の扱いについては、「自分なりの解釈で情報を整えて使う」が60.8%、「そのまま使う」と回答した人は、13.7%にとどまった。

 現時点では、生成AIによる誤回答や誤情報を完全に防ぐことは難しいとされており、文部科学省による「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン」の中でも、その前提で、生徒が生成AIの性質やメリット・デメリットを理解し、情報の真偽を確かめ、自ら判断して考えることが重要だと認識できるように学校現場が促すべきと記載がある。今回の結果を見ると、高校生が、学校で学ぶ生成AIとの付き合い方を理解した上で、良い距離感でうまく活用しているように見受けられる。

 「生成AIを使いこなす力は、将来どんな場面で役立つと思うか?」と聞くと、上位は「効率的な情報収集や整理」のほか、「違う視点を持つためのヒントを得るために使う」、「資料の中での表現力を高めるために使う」といった、仕事での補助ツールのような活用方法をイメージしているようだ。一方で、「生成AIを使えることで就職や進学に有利になると思う」のように、生成AIを使えること自体が強みという考え方は少数の結果になった。

 「生成AIが進化した未来で、あなたの将来の夢はどう変わると思うか?」と聞くと、「生成AIによって、夢がもっと実現しやすくなる」(24.3%)、「生成AIと協力することで、夢の内容がより高度になる」(20.3%)の回答が上位に。生成AIを自らの可能性を広げるための協力者として捉えているようだ。一方で、「生成AIにできないことを目指すようになる」(15.6%)も3位で、自身のキャリアを主体的に描こうとするたくましさもみられた。

 さらに、「この先、生成AIが進化した時に、あなたが最も『大切にしたいもの・こと』は何か?」に対しては、「人とのつながりやコミュニケーション」(29.9%)、「自分で考える力や創造力」(17.6%)、「感情や思いやりなど、人間らしさ」(10.6%)が上位を占めた。幼いころからテクノロジーの進化が当たり前だった世代だからこそ、その中での人間らしさの重要性を実感として認識しているのかもしれない。また、生成AIを活用する上でもこれらが必要であると捉えている可能性もある。アンケートの詳細は『スタディサプリ進路』内の「#高校生なう」で掲載している。

参考:【スタディサプリ #高校生なう】現役高校生が回答!利用経験が90%超え「生成AI」に関するアンケート2025

大学ジャーナルオンライン編集部

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