法学研究科では、グローバル化、ボーダレス化が進展する社会の中で複雑化した社会現象を把握するために専門領域を基軸としながら、加えて関連・周辺領域の視座も涵養すべく、多様な専門領域の教員と大学院生がともに日々研鑽を積んでいます。異なる解釈に立つ解決策からもたらされる利益の相違を突き詰め、問題解決にまつわる種々のベクトルを総合する論理的思考力やバランス感覚、社会的正義の実現に貢献する高い志と熱い情熱をもとに、「真実」を探求する意義を見出します。

 

※2023年取材当時の内容・表記です。

新たな犯罪領域の研究だからこそ現実社会とのつながりを重視してほしい

四方:私は30 年近く警察官僚として働いてきて、教員となって6 年ほどですが、趙さんのように大学院で犯罪心理学を学んだ後に、法律や刑事政策の分野に移行して研究する方は珍しいです。

:四方先生の存在を知ったのは、早稲田大学大学院で犯罪心理学を学んでいた頃。サイバー犯罪に興味を持つ中で四方先生を紹介していただいて、法学研究科を受験する前に初めてお会いしました。

四方:非常に志が高くて、熱心に学んでいるなと第一印象で感じましたよ。サイバー犯罪に対して、法学や犯罪学の見地から取り組む研究者は少ないので、私としても期待する部分がありましたね。

:犯罪心理学を学んでいた頃からマッチングアプリをテーマにしているのですが、以前は犯罪被害とつなげて研究することが難しくて。四方先生のもとで、やっと被害者実態の調査や犯罪対策という観点から研究ができるようになりました。

四方:サイバー犯罪は大きく2〜3つに区分できるのですが、ランサムウェアなどの技術的犯罪と、ネットを介して子どもや女性などの弱者が犯罪に巻き込まれるタイプが主なもの。マッチングアプリは後者に当たりますが、先行研究はまだ少ないですよね。

:日本や韓国ではデータはあまりなく、先行研究も海外のものを主に参照しています。先生からアドバイスされたアンケートやインタビュー調査、報道からの傾向分析、また性被害者支援団体にも協力を仰いでいまはデータの収集を進めています。

四方:趙さんの国際的な素地を活かして、グローバルな視点を加えるといいかもしれません。また刑事政策は法学と犯罪学の境目にあり、社会とのつながりが重視される領域です。心理学で培った実証的なデータ分析の力も発揮できるといいですね。現実直視と問題解決の姿勢は大切にしてほしいと思っています。

:先生のもとに来てから、研究や学会に多く参加させてもらって、さまざまな先生方から助言や刺激をいただいています。もちろん先生のアドバイスも研究に反映したいと思うものばかりで。いまのお話もしっかりメモしたので、今後の研究に活かしていきます。

大学院生 趙 恩慶さん

所属/法学研究科 刑事法専攻 博士前期課程
研究テーマ/マッチングアプリ利⽤による被害実態と対策に関する研究
進学動機/サイバー犯罪に関する研究を行うべく、専門家である四方教授が在籍する中央大学大学院を選びました。

教員 四方 光 教授

専門分野/刑事法学、社会安全政策論
研究キーワード/サイバー犯罪、再犯防止施策、社会安全政策論
研究内容/サイバー犯罪と再犯防止

 

大学ジャーナルオンライン編集部

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