1960年代、アラスカの大学との交流に始まる
本学の当初のミッションは、他のクリスチャンの学校同様、キリスト教主義に基づいて有為な人材を育成することです。人格を磨き、異文化に対して苦手意識を持たず、広く多様な価値観を受け入れる国際人を育て、そのための手段として英語を教えるという意味では、今日のグローバル人材育成につながるものと言えます。建学の精神はキリスト教の精神に基づく「敬神愛人」で、外国に対してはオープンマインドであることを求めています。
戦後、1964年、東京オリンピックの年に新制大学としてスタートしましたが、創立期からアラスカ・メソジスト大学との教員交流がスタートし、当初から国際的な意識が強かったようです。数年後には同大学への学生派遣を行っています。学生たちは日本で初めてアラスカ旅行案内の冊子を作り、一月かけてアラスカを回りましたし、翌年のグループは、ただ回るだけでなく、剣道部は剣道を教え、自動車部は車でアラスカを回りました。語学準備にも熱心で、渡航前には合宿研修などもしていたようです。また、同大学から交換の教員が在外研修の形で来学、日本からの教員派遣もしていました。とにかく広い視野を持てということで、学生も目を海外に開き、世界市民を目指して勉強しようという熱気であふれていたと聞いています。
外国語学部と国際文化学部
開学当初から総合大学に展開する構想でしたが、長らく経済学部経済学科と商学科の2学科時代が続きました。ただ語学教育に関してはCAIやCALLラボなど、情報機器を使った教育にかなり早くから取り組んでいます。またアラスカ・メソジスト大学に始まり、交換留学(国際教育)協定を結ぶ大学も増やしてきました。早い時期から、留学先での成績を単位として認めることで、1年留学しても4年間で卒業できる制度も整えています。
国際化へ向けて一層弾みがついたのは、1989年の外国語学部の開設。これを契機に交換留学協定大学の数も増やし、現在その数は、豊富な85大学。しかも外国語、国際系学部では2人に1人が、全学でも4人に1人が留学しています。
協定大学も、アメリカ、カナダ中心からオーストラリア、ニュージーランドへ、最近はフィリピンやタイなど東南アジア、そしてポーランドなどの東欧諸国へと広がっています。この傾向は、語学を専門に学ぶだけではなく、多文化、異文化に直接触れることを重視しようという国際文化学部(国際文化学科、国際協力学科)の開設で一層強まり、インドネシアのアチェ州にあるアルムスリム大学というイスラム教の大学とも協定を結び、学生がお互いに一月間ほど行き来しています。