学生人気が高い「金融」「公共」分野で
活躍する力を伸ばす
東京経済大学(東京都・国分寺市)の経済学部で、2023年度から新たな選抜プログラムとして「金融選抜プログラム」と「公共選抜プログラム」が開講される。
従来から学部教育の中で、将来の進路を見据えて社会人基礎力を身につける「キャリア科目」を開講している同学部では、正課外でも金融業界に関心のある学生を対象として、卒業生組織と連携したサポート等により同業界への就業力を高めるためのプログラムを展開するなど、専門知識の習得に加えて、卒業後の不確実な社会で活躍するための実践教育に力を入れている。今回創設される新たな「金融選抜プログラム」と「公共選抜プログラム」は、学術的な基礎理解と実務的な実践教育を融合させる同学部の伝統をさらに強化するものとして開講される。
社会科学系の総合大学である東京経済大学では、例年、金融や公共(公務員)分野への就職を志望する学生が多く、一方で両分野ともに技術革新による業界変化のただなかにあり、それに対応できる能力を備えた人材の育成が必要だ。金融分野では、フィンテックによるDX推進やビッグデータ活用などの新技術に基づくさまざまな事業展開が進められ、公共分野では、社会環境の変化に応じた地域住民のニーズへのきめ細やかな対応がこれまで以上に求められている。
両プログラムでは、少人数選抜制で新たな科目を設けるとともに、既存のカリキュラム体系を活用し、課題発見や解決に向かう力を涵養していく。
実践的に学び、第一線での活躍に必要な力を養う
「金融選抜プログラム」ではプログラム生限定の科目を2つ新設し、既存の金融関連科目と並行した体系的学習によって、金融の先進領域に関する学術的な基礎理解を実践に活かすためのスキルを習得する。
新設科目の「金融データ分析」では、金融分野に不可欠なデータの取り扱いや分析について基礎モデルを用いて理解を高める。もう1つの新設科目「金融実践講座」では、卒業生団体と連携し、金融分野の第一線で活躍するOB・OGの講話から業界の最前線の姿を学ぶ。また、金融分野に推奨されるさまざまな資格の取得支援を提携講座によってサポートする。学生は専門科目と併せて多角的に学ぶことで、今後の金融業界で活躍するための総合力を養うことができる。
また、「公共選抜プログラム」は、2年次の少人数実習科目と3年次のインターンシップ科目が特色だ。講義でなく実習形式で学習することにより、多くの人々を巻き込み、協力しながら課題解決にあたるためのリーダーシップや対話力を育成できる。3年次の公務員インターンシップでは、地域の実情を的確かつ敏感に感じとらなければならない厳しさを体験し、さらに、既存の地域経済や社会保障、環境等に関連する科目を体系的に学習することで、社会政策に対する経済学的な見方や数的思考を活用する力の習得も期待できる。
また、学内外の提携講座と連携し、公務員試験に向けた学習をサポートする。将来の進路として、公務員に限らず、商工会議所、観光協会といった半官半民の組織や、NPO、シンクタンクといった公共政策を民間の立場から支える企業等で活躍できる人材まで、学生の多様な希望に沿って力を伸ばすことができる。
なお、両プログラムとも経済学部生のみが所属できる限定プログラムとして開講される。入学後の1年次2期に所属のための選考を行い、2年次より各プログラムに所属し、4年次まで体系的に講義を受講する。