ミディアムサイズの総合大学だからこそ叶う“知の融合”
2027年には、岡本キャンパスの西・北校地に新理系棟も完成
甲南大学は学生数が9000人強の総合大学で、神戸市内の岡本キャンパスには6学部1学環が集まる。「進化型理系構想には、本学の規模感を最大限に活かしたテーマがある」と明かすのは、理工学部長の梅津郁朗教授だ。
「それは“融合”です。たとえば、宇宙理学と量子物理は一見関連が薄いように見えますが、実は物理学を基礎とした多くの共通項があります。2つの学科に分けず敢えて1つにしたのも、融合による新たな学びや研究を期待したからこそ。もともと同じキャンパス内に研究室があったことで実現した、本学の規模感ならではの取り組みと言えるでしょう」。
また、2027年に完成予定の新理系棟にも、この“融合”というテーマが活かされている。進化型理系のホームベースとなる新理系棟は、学生が誰でも利用できる共用フロアと「環境・エネルギー工学科」の占有フロアがあり、他の理系学部の入る校舎ともブリッジでつながる設計となっている。学部・学科を超えて学生がつながり、地域ともつながる、「SCIENCE JUNCTION」として期待されている。
2026年には理工学部の改組のほかにも、フロンティアサイエンス学部生命化学科で「研究開発リーダー養成プログラム」「先進科学コースの新しい4つのサブコース(創薬、医療、先端材料、化粧品・食品)」の設置。2028年には、大学院に「知能情報学研究科」の新設を構想中だ。甲南大学の理系の進化に今後も注目したい。
理系学部の女子学生比率は3割超、女子枠の入試制度も実施。
受験生のチャレンジしたい気持ちにしっかり寄り添う
新たな理工学部には、宇宙や環境など興味深い学びが揃う。しかし、興味はあるが理系は苦手と迷う受験生もいるかもしれない。そんな受験生にエールを送るのが、理工学部の町田信也教授だ。
「目指す未来に進むには苦手な科目もある。でも興味があるし目指したい。こうしたポジティブな選択をする受験生を大歓迎します。私たちができる限りのサポートをします」。「授業では、座学だけでなく実際に手を動かして体験させることを重視しています。当然失敗もありますが、そこから学び、経験を積むことで経験値があがり、技術の向上につながります」。
甲南大学の学生は実験がうまいと言われるのもうなずける。
加えて、女子生徒にもぜひ伝えたいことがあるという。
「理系というと一般に女子が非常に少ないイメージがあるかもしれません。しかし、甲南大学では理系全体で女子学生の比率が3割を超えています。新たな学科でも女子枠の入試制度を設置します」とのこと。
多くの先輩女子学生の存在は励みになるはず、迷っているならぜひオープンキャンパスに足を運んでみては。
最後に中井学長がこんなメッセージをくださった。
「本学の学生には、高いコミュニケーション力と広く社会に必要とされる課題解決能力を身につけ、さまざまな分野で活躍できる人材となってほしいと願っています。また今回、理系学部が大きく進化しますが、甲南大学全体としての変革は始まったばかり。これからも進化を続ける甲南大学にぜひ注目していただければと思います」。
右)甲南大学 中井伊都子学長
左)理工学部長 梅津郁朗教授
進化型理系構想 特設サイト:https://www.konan-u.ac.jp/evo/science_and_engineering/
新理系棟 特設サイト:https://www.konan-u.ac.jp/evo/science-junction/
進化型理系コンセプト動画:https://www.youtube.com/watch?t=3&v=KH1CGEznbJ4&feature=youtu.be
甲南Ch.:https://ch.konan-u.ac.jp/
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