「好きなことを楽しく学びながら、就職に強い」大学として定評のある甲南女子大学。2025年の実就職率ランキング(※1)では西日本の女子大学として1位を獲得、そのポジションをより明確にした。また資格取得にも高い実績があり、「いろいろな資格を取得できる大学」として受験生からの支持を集めている(※2)。その甲南女子大学が、2026年春「社会学部 総合社会学科」と「教育学部 子ども教育学科」をスタートさせる。実践的な学びをより鮮明に打ち出している両学部学科の学びについて伺った。
現代社会を総合的にとらえる「社会学部 総合社会学科」
3専攻を横断して学び、多角的視点を養う
「社会学部 総合社会学科」は、これまでの「人間科学部」をアップデートさせる形で新たに「メディア社会学」「生活環境学」「ビジネス社会」の3つの専攻を設置する。ユニークなのは、自身の専攻科目を中心に3専攻を横断し102の授業科目から学びをカスタマイズできることだ。
新たな総合社会学科では、学生の興味・関心のあるテーマを起点として、メディア・文化から見る社会学の視点、ビジネス・マーケティング視点、ライフスタイル実践者としての生活者視点という3つの視点から学べる。単一の学問分野では理解できない、複雑な現代社会を理解するための社会学的想像力を育てることを目指す。
各専攻の学びを見ていこう。「メディア社会学専攻」では、フィールドワークを通じて、社会調査の方法やデータを読み解く知識やスキルを習得する。「生活環境学専攻」では、暮らしを中心とした多様な課題に対して、地域や企業と連携しながら、実社会で活かせる具体的解決策を生み出す力をつける。「ビジネス社会専攻」では、PBL(課題解決型学習)やプロジェクト演習を通じて、ビジネス・マーケティングの理論やスキルを身につける。いずれの専攻でも、実践的な学びのなかから計画性や主体性、協調性を育むのが特徴だ。
「かつての大学教育は、室内で書物やデータに向き合い、一人で内省を深め、自分の知識や教養を深めていくイメージがありましたが、現在は違います。外に出て人に会い、人と協働して何かを創り出していく、“共創者”を育成する役割に変わってきています」と人間科学部学部長の池田教授。
教授陣には、ファッション文化論を専門とする米澤泉教授や名誉フードスペシャリストを受賞した濵口郁枝教授など多彩な顔触れが揃う。多様性に満ちた学びの場に期待したい。
保・幼・小をはじめ多様な資格・免許が取得可能。
子どもの育ちを広く・深く学ぶ「教育学部 子ども教育学科」
「教育学部 子ども教育学科」は、「人間科学部 総合子ども学科」からの名称変更となる。「“子どもの育ちを幅広く理解した保育者・教育者の養成”という本学部の目的や学びの内容を、受験生や保護者により明確に伝わるようにしました」と、総合子ども学科学科長の梅﨑高行教授はその意図を説明する。
学びの内容で注目したいのが、独自の「未来の先生プログラム」だ。「遊び創造」「医療保育・発達支援」「国際子ども」「子どもの心理・社会性発達」など6つのプログラムがあり、“授業+体験”を通じて自分の強みを磨くことができる。学生は自分の興味・関心にあわせて2つのプログラムを選択が可能だ。
「カリキュラムでは単に知識を増やすのではなく、確かな実践力を集中的にパッケージ化して学べることを重視しています。現場に出ると、保護者に教育の丁寧な説明を求められることもあります。そのとき、自分たちの教育について自信を持って、しっかり伝える力は、強い武器になります」と梅﨑教授。
こうした専門的・実践的な学びを支えるのが、国の幼児教育プロジェクトに携わる松井愛奈教授や、医学博士であり現役の小児科医でもある八木麻理子教授をはじめとする多彩な教授陣だ。また、資格・免許取得までのサポートも充実しており、保育士、幼稚園教諭、小学校教諭の3資格・免許をはじめ、特別支援学校教諭や中学校教諭など、さまざまな資格・免許が取得可能となっている。
最後に梅﨑教授は、「子どもについて学ぶことで、多面的に物事を捉える思考を育めるようになります。卒業後、教育業界に進むにしても、一般企業に就職するとしても、必ず活かせる能力が身につきます」と力強いメッセージを送ってくれた。
高い実就職率を支える、手厚いキャリアサポート体制
学生コミュニティの存在も力に
全国でもトップクラスの実就職率を誇る甲南女子大学だが、その背景には、学生一人ひとりに寄り添うキャリアサポート体制がある。1年次からのキャリア支援科目を充実させていることに加え、1学年約1000人の学生に対し、キャリアセンターの職員9名が年間約4000件もの個人面談を実施しているのだ。
学生が気軽に利用できる『キャリアコモンズ』にも、気軽な相談に対応できるようキャリアセンタースタッフが常駐。職員のほかにも、学生団体が中心となって内定を獲得した先輩やOGの体験談を聞くことができる『ミライサポート』セミナーが開催されるなど、全学をあげての手厚い支援が心強い。
2025年の「実就職率ランキング(※1)」で西日本の女子大学として1位を獲得しただけでなく、「受験生が評価する大学(※2)」では、「就職力が高い大学」「キャリアサポートをはじめ学生サポートが充実していると思われる大学」「いろいろな資格を取得できる大学」の3部門で近畿地区の女子大学1位を獲得したというのも頷ける。
※1:『大学通信ONLINE:2025年実就職率ランキング』(株式会社 大学通信・2025年7月24日発表)
※2:『大学探しランキングブック2025』(株式会社大学通信・2024年12月13日発行)
甲南女子大学
右)人間科学部 学部長 池田太臣教授
左)人間科学部 総合子ども学科 学科長 梅﨑高行教授