情報技術の世界で革新的な技術やアイデアが次々と提唱される一方、技術を正しく理解し、法制度や社会的な背景、ビジネスとの関係を国際的な視点から考えられる人材はまだ少ないのが実情です。国際情報研究科が目指すのは、技術への理解と論理的な考察力を持ち、社会の多様な場面で情報社会を支える人材の育成。学部卒業生だけでなく社会人のリスキリングにも対応したカリキュラムで、情報技術を取り巻く国際的な変化の本質を見抜き、対応する力を追求することができます。
※2023年取材当時の内容・表記です。
仕事の経験を効果的に活用できれば社会的な価値ある研究が実現するはず
西野:業界で行われるワークショップなどに参加する中で、10年ほど前から学び直しの機会をつくれないかと模索していました。そんな時に国際情報研究科が開設される話を聞きまして、先生との話からも興味を惹かれて進学を決めました。
飯尾:私も中央大学に入職するまで民間企業にいましたから、社会人として自身のフィールドを持っている西野さんが、学んだ成果を現場に還元できたら面白いだろうなと考えていました。
西野:入学前には研究計画を先生に相談しながら作成する過程で、先生が専門とする「人間中心設計」の考え方を、ヒューマンエラーの防止に活用できないかという観点に辿りつきました。過去事例の傾向分析のための解析プログラムの設計など、初めて学ぶことも多くて苦労はありますが、先生の丁寧な指導には助けられています。
飯尾:使う側の立場からシステムやサービスを設計する「人間中心設計」の視点をヒューマンエラーの防止に活用するのは、興味深いテーマです。現場で問題を抱える西野さんならではの着眼点ですよね。
西野:これまではエラーが起きた後に再発防止策を考える、というのが通例でしたから。事前の防止策を講じることができれば得られる社会的なメリットも大きいかと考えました。
飯尾:再発防止策においても、使う側の利便性を損なうような必要以上の対策を講じる企業事例などもありますから。そこでも「人間中心設計」の考え方はきっと活きてくるはず。社会人として改めて大学院で学ぶ中で、研究以外にも色々と得るものがあると思いますが。
西野:そうですね。特に多角的な視点から物事を考える習慣によって、仕事への取り組み方が変わったなと感じています。
飯尾:私も社会人として働きながら博士課程を修了しました。大学院と日々の業務をうまく結びつけることができれば、より質の高い研究が実現できるのではと期待しています。
西野:ありがとうございます。これまで現場で経験したことを学術的に整理し、将来の選択肢を広げられるよう、大学院の2年間では楽しく前向きに多くのことを吸収したいと思います。
大学院生 西野 直樹さん
所属/国際情報研究科 国際情報専攻 修士課程
研究テーマ/人間中心設計の観点によるヒューマンエラーの改善
進学動機/情報通信の設備工事を手掛ける企業に勤務。リスキリングの機会として大学院への進学を決めました。
教員 飯尾 淳 教授
専門分野/ヒューマン・コンピュータ・インタラクション
研究キーワード/画像処理、ユーザーインターフェース、情報システムの最適化
研究内容/⼈間と情報システムのインタラクションに関する研究
