最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC)が運用するスーパーコンピュータ「Oakforest-PACS」が、2016年11月の世界のスーパーコンピュータ性能ランキングを示すTOP500リストにおいて6位を達成、「京」コンピュータ(同7位)を上回り国内最高性能システムとして登録された。同コンピュータは富士通株式会社が製作し、東京大学情報基盤センターと筑波大学計算科学研究センターが共同運営するJCAHPCに導入、10月よりシステムの稼働を開始している。
Oakforest-PACSは、東京大学柏キャンパス内の情報基盤センターに設置されるが、システムの調達・導入・運用及び主な利用プログラム運用等の全てを東京大学、筑波大学の2大学が共同で実施する国内初の試み。同システムはメニーコアプロセッサ技術を用いた米インテル社の高性能プロセッサIntel Xeon Phi(Knights Landingアーキテクチャ)による計算ノード8,208台を、同じくインテル社のOmni-Path アーキテクチャによって接続した超並列クラスタ型スーパーコンピュータ。ここ5年間の半導体技術と相互結合網構築技術の進歩によって、市販プロセッサを用いたシステムで国内最高性能が達成された。
コンピュータの性能を測定するLINPACKベンチマークテストの結果では13.55 ペタFLOPS(毎秒1京3550兆回の浮動小数点演算速度[1ペタは1ギガの100万倍])を達成した。同システムのピーク性能は25 ペタFLOPSで「京」コンピュータの約2.2倍あるという。
Oakforest-PACSは、国内最高性能のスーパーコンピュータ資源として共同利用に供され、次世代の様々な科学技術分野の研究開発を飛躍的に推進するとされる。また、最先端計算科学の研究だけでなく、計算科学及びHPC(高性能コンピューティング)分野の人材育成にも利用され、各分野の今後の発展に貢献することが期待される。