群馬大学大学院医学系研究科食健康科学教育研究センターの葭田明弘助教、木村孝穂准教授、村上正巳教授らの研究グループは、こんにゃく粉入りのおかゆを摂取することで中性脂肪を低下させられることを発見した。中性脂肪を代謝する酵素の血中濃度が上昇するためで、メタボリック症候群の改善に期待が持てそうだ。
群馬大学によると、研究グループは被験者の男性13人に五分がゆ、0.4%のこんにゃく粉入りのおかゆ、0.8%のこんにゃく粉入りのおかゆを食べてもらい、摂食前と摂食後30分、60分、120分の中性脂肪、中性脂肪代謝にかかわる酵素の血中濃度を調べた。
その結果、0.8%のこんにゃく粉入りのおかゆを食べると、30分後から120分後にかけて血中の中性脂肪濃度が低下することが分かった。さらに、中性脂肪を代謝する酵素の血中濃度は五分がゆだと食後30分以降、低下を続けたのに対し、こんにゃく粉入りだと低下しないことも明らかになった。研究グループはこんにゃくの中性脂肪低下作用が主食と混合することにより、強く発揮される可能性があるとみている。
こんにゃく粉を含むおかゆの摂取で酵素の血中濃度が上昇し、中性脂肪を低下させることを突き止めたのは、これが初めて。研究グループはこんにゃく粉入りのおかゆがメタボリック症候群とそれが引き起こす脳卒中など血管障害の予防に効果があるとみている。
論文情報:【Nutrients】Konjac Glucomannan Attenuated Triglyceride Metabolism during Rice Gruel Tolerance Test