文部科学省は日本の数理科学分野の研究力向上を図るとともに、数理科学を活用したイノベーションやアジア太平洋地域の共通課題解決に貢献する拠点形成などを提言する報告書をまとめた。報告書はオンラインで開催された科学技術・学術審議会基礎研究振興部会に提出された。

 文科省によると、報告書は日本の数理科学研究の現状を諸外国が国策で研究を推進する中、数理科学型研究への転換に遅れが見られ、研究力強化の場の開設や数理人材の育成、産学連携の推進などを急ぐ必要があるとしている。

 これを受け、今後の方策としてアジア太平洋地域の数理・融合研究に対し、企業や研究者の出会いと議論の場所開設を提言している。過去に世界で先導的な役割を果たしてきた数理科学力を生かし、欧米と並ぶ数理科学研究の第三極となる国際的フォーラムの設立を求めた。フォーラムでは若手研究者の顕彰とともに、国際的産学研究を海外の研究者と共同で進めるとしている。

 これを成功させるために克服すべき課題としては、交流相手国とのパートナーシップ構築、科学技術協力協定など国の枠組み活用、2023年に東京で開催が予定される応用数理国際会議の成功とタイアップ事業の継続、研究者らがオンラインではなく、リアルで対面して協議できる環境の構築などを挙げている。

参考:【文部科学省】アジア太平洋数理・融合研究戦略検討会報告書について

大学ジャーナルオンライン編集部

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