新型コロナウイルスの感染拡大で離職を余儀なくされた観光業従業員の転職を支援する大阪観光大学の「ニューノーマルな観光人材育成事業」が、文部科学省の「就職・転職支援のための大学リカレント教育(※1)推進事業」に採択された。
大阪観光大学によると、この事業は元観光業従事者の再就職を支援する産学連携のリカレント教育プログラムで、主に失業者を対象にするが、非正規雇用労働者や転職希望者も受講でき、個別のキャリア相談を受け付ける。
コースは2つ。1つは「リゾート再生プロデュースコース」で、定員30人。リゾート地で活躍するプレイングマネージャーを養成する。2回の集中合宿とオンライン授業で進め、厚生労働省の要件を満たした受講者は1カ月10万円の職業訓練給付金を受給できる。
もう1つが「ローカルツーリズムプロデューサー人材育成コース」。定員は30人。地域の観光づくり法人(DMO)が必要とするコーディネーターを育てる。和歌山県白浜町と兵庫県淡路島、仙台市の3カ所で一泊二日の研修とeラーニングでプログラムを進める。就職先としてはDMOや地域観光業者を想定している。
観光業界は新型コロナの感染拡大で訪日外国人観光客が途絶えたほか、観光自粛の影響を受け、倒産や廃業が相次いでいる。倒産や廃業に至らなくても、従業員の解雇が全国的に見られ、再就職のあっせんが課題に浮上している。
※1 リカレント教育 生涯にわたって就労と教育のサイクルを繰り返す教育制度