東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻専門職学位課程の2022年度入学者選抜にオンライン試験システムの「スマート入試」が導入された。各種認定試験などを開発する株式会社サーティファイのオンライン試験システムで、コロナ禍の入試システムとして注目されそうだ。
サーティファイによると、スマート入試はパソコンのカメラだけでなく、スマートフォンのカメラも使用することで不正行為の検出精度を高めたのが特徴。スマートフォンのカメラがパソコンのカメラの死角を補うとともに、トラブル発生時にパソコンの再起動中も周辺状況やパソコン画面の監視を続ける。
パソコンとスマートフォンのカメラに対しては、3つのAI(人工知能)を駆使して従来以上に高性能の解析を実現した。サーティファイはこれにより、受験生の対する心理的効果が強まり、不正の抑止も期待できるとしている。
東京大学大学院医学系研究科は「試験監視システムとして評価できる」と実施後のアンケートに回答している。サーティファイはさらにシステムの性能を高め、不正検出精度の向上とカバー範囲の拡大を目指す。
従来のオンライン試験システムは本人認証や視線監視など簡易な不正検出ができたが、パソコンカメラの死角となる受験生の手元、パスコン画面などを監視できず、大学などが導入に踏み切れなかった。