2021年3月に大学や高校などを卒業した学生や生徒のうち、就職内定を取り消された人が全国で136人に上ることが、厚生労働省のまとめで分かった。このうち、9割以上の124人が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けており、業種別では卸売・小売業で内定取り消しが目立っている。
厚労省によると、内定取り消しを受けたのは37の事業所に就職する予定だった大学生、短期大学生、専門学校生ら116人と、高校生20人。211人の内定取り消しがあった2020年3月の卒業生に比べると、数は減ったものの、新型コロナの影響の大きさがうかがえる結果となった。
このうち、新型コロナの影響と考えられるのが、25の事業所に就職する予定だった大学生ら111人と高校生13人。内定を取り消された人数の半数以上の75人が卸売・小売業の事業所に就職予定だった。地域別では首都圏が全体の7割近い92人を占めている。
内定を取り消された136人のうち、99人は別の事業所などに就職した。これとは別に内定後、入社時期が先送りされたり、自宅待機を命じられたりした人が157人おり、うち154人が新型コロナの影響と考えられる。
これらの数字は8月末に全国のハローワークを通じて報告されたものに限られている。これ以外にも内定取り消しや入社時期の先送りなどを受けた学生、生徒がいるとみられる。