2016年度の入学者選抜から推薦入試を導入する東京大は、7月末から9月上旬にかけて全国で推薦入試説明会を開きます。東大が「超高校級」の学生集めに乗り出すと話題になった推薦入試が、いよいよ動き出すことになります。

説明会が開かれるのは、仙台、東京、名古屋、福岡、金沢、大阪、松山、広島、札幌の9会場。大学側が推薦入試の導入に至った経緯や入試の概略、出願方法などについて参加者に説明します。参加費無料で、事前の申し込みは不要。このうち、名古屋、大阪、広島、福岡、札幌の5会場では同じ日に東大主催の主要大学説明会も開かれ、大学の説明や個別相談が予定されています。

東大は2015年3月で後期入試を廃止し、代わりに推薦入試を導入します。願書の受け付けが11月で、12月に1次選考合格者の面接を実施。志望者にセンター試験を義務づけ、その結果により基礎学力が授業についていけるかどうかを判断します。センター試験では概ね8割以上の得点が要求されます。合格発表はセンター試験後の2月になる見通しです。

一般入試の合格者は科類を選んで入学し、2年次に学部を選んでいます。しかし、推薦入試の合格者は出願するときから学部を決めることになっています。はっきりとした目的意識を持つ「超高校級」の学生を受け入れたいという、東大側の意思の表れと受け止められています。
東大は長く日本の頂点に立つ大学の地位を守ってきましたが、中学時代にスマートフォンアプリを開発したり、高校生で起業したりする「超高校級」の学生が東大を避け、他校に入学する例が目立ってきました。極めて高い難度の筆記試験が、独創的な才能を持つ学生に敬遠されたとみられています。東大はこの点に危機感を持ち、推薦入試導入を決めたようです。

説明会の日程は次の通り。▽仙台=7月31日午後3時から仙台市民会館▽東京=8月7日午後1時半から東大・弥生講堂▽名古屋=8月9日午前9時半から名古屋国際会議場▽福岡=8月16日午前9時半から福岡国際会議場▽金沢=8月19日午後3時から金沢市文化ホール▽大阪=8月23日午前9時半からグランキューブ大阪▽松山=8月29日午後1時半からひめぎんホール▽広島=8月30日午前9時半から広島国際会議場▽札幌=9月6日午前9時半からACU(アキュ)

出典:【東京大学】東京大学推薦入試説明会(PDF)

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