明治大学は大学創立140周年を記念し、創立記念祝日となる11月1日、駿河台キャンパス・アカデミーホールで「明治大学140周年記念式典」を開催した。会場へは招待者のみ入場し、式典の様子は140周年記念サイトおよび明治大学公式YouTubeアカウントからライブ配信された。

 記念式典では、寬仁親王妃信子殿下による祝辞の後、来賓代表として末松信介文部科学大臣(義本博司事務次官代読)、卒業生の萩生田光一経済産業大臣、 早稲田大学総長の田中愛治・日本私立大学連盟会長が祝辞に立った。卒業生で第81代内閣総理大臣の村山富市・校友会名誉会長からの祝電も披露された。

 柳谷孝理事長と大六野耕作学長からは、次期長期ビジョン「MEIJI VISION 150 -前へ-」の発表が行われた。発表に先立ち、卒業生で声優・マルチクリエイターの三ツ矢雄二さん、卒業生の保護者で声優・女優の日髙のり子さんによるナレーションで、創立130年以降10年、多方面にわたって積み上げてきた実績を紹介した。

 「MEIJI VISION 150 -前へ-」は、明治大学が創立150周年を迎える2031年を見据え、10年後のあるべき姿を示した全学ビジョン。大学経営と、2019年に定めた「グランドデザイン2030」に沿う教育、学生支援、研究、社会連携・社会貢献の4つから成り、法人と教学が一体となって中期計画、事業計画へと落とし込んでいく。

 大学経営においては理事会に常勤監事を置き、明治大学初の女性理事、女性監事を選出。ガバナンスとコンプライアンスの強化に努めつつ、教学面を強固な財政基盤で支える。また、駿河台キャンパス神田猿楽町地区の再開発を中心とした施設整備を進め、アジアのトップユニバーシティにふさわしい、ハブとなるキャンパスを目指す。
財政計画では2031年に50億円の収入超過を、寄付金収入は2031年までに累計150億円という数値目標を掲げる。さらに、付属校政策を充実させ、将来にわたって安定した入学者の確保に努める。

 教育面では世界トップレベルの教育力ある大学を目指す。国内外の幅広い地域から学生を受け入れ、2人に1人が留学経験者となるよう支援する。また、女性教員と外国人教員比率、外国語による科目の比率を高める。

 学生に対してはスポーツや文化活動、社会貢献活動などに全力で挑戦できる支援体制を構築し、奨学金の拡充やキャンパスの整備、キャリア形成支援による「就職の明治」の継承を方針に掲げる。

 研究に関しては「研究のMEIJI」として世界でのプレゼンスを高め、社会や産業界へ還元していく。次世代を担う研究者育成のための支援体制を構築し、国際ジャーナル投稿論文数や国際共著率、論文インパクト(FWCI)の向上を図る。外部研究費の受入金額を2031年までに50億円に増加させることを目標に、研究支援の取り組みを強化する。

 社会連携・社会貢献の全学ビジョンとしては、国内外の地域と連携し、地域社会に開かれた生涯教育の拠点として学びの機会を提供する。明治大学の生涯学習機関、リバティアカデミーによる講座数を増やし、オンラインも取り入れて各地の社会的ニーズに合致した講座を開講する。

 これらの全学ビジョンについて、柳谷理事長と大六野学長は「『権利自由』『独立自治』を建学の精神とする本学は、人間が人間として生きるに値する平和で持続可能な社会を創出する教育・研究拠点を目指します」と語り、創立150周年に向けて、どんな困難に直面しようとも歩みを止めることなく『前へ』突き進んでいくことを宣言した。

 式典の最後には、校歌誕生100年記念プロジェクトとのコラボレーション企画として、卒業生でハーモニカ奏者の寺澤ひろみ氏による演奏や、校歌誕生秘話に関する映像の上映、混声合唱団による合唱動画などが放映された。

参考:【明治大学】MEIJI VISION 150

大学ジャーナルオンライン編集部

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