南山大学(愛知県名古屋市)では、2017年度に総合政策学部が名古屋キャンパスに移転してキャンパス統合が完成。そのキーフレーズである「One Campus Many Skills」を実現する体制が整うことを好機とし、クォーター制(4学期制)を開始した。短期大学部を除く学部と、専門職大学院を除く大学院の授業において、定期試験を含む8週間を1クォーターとしている。

 このクォーター制導入により、学生には4つのメリットがあるという。まず、1年を4回にわけて授業を履修するため、履修計画の柔軟な組み立てが可能になる。次に、海外の大学で6月から実施されるサマーコースへの参加、および短期留学やサービス・ラーニング(※1)など自主的な学修の選択肢が拡がる。3つ目に、短期間で集中的に学ぶことにより学修効果の向上が期待できる。4つ目として、海外からの留学生の受け入れが容易になり、キャンパスの国際化が促進されることをあげている。
 
 国際教養学部においては、2年次の第2クォーター(6月中旬~)にアメリカ・アリゾナ州立大学への約6週間の短期留学を原則全員に義務づけている。最初の4週間で英語レベルを向上させ、最後の2週間で英語での議論、プレゼンテーション、フィールドワークなどを実施。クォーター制を活かしたプログラム構成となっている。

 クォーター制の導入にあたり、大学から学生に向けて「クォーター制導入の趣旨について理解いただくとともに、みなさんが明確な目的意識をもって新たな制度の利点を十分に活用していかれることを期待します。」とのメッセージが送られた。なお、授業開始時間、授業時間および授業回数に変更はない。

※1:一定の期間、サービス活動(ボランティアなど)を体験し、今後の学習や進路について新たな視野を広げることができるプログラム。海外の現地NGOや公的機関で活動を行うこともある。

大学ジャーナルオンライン編集部

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