国立精神・神経医療研究センター、日本大学、埼玉県立大学の研究グループは、朝の目覚めのときに感じる休まった感覚の睡眠休養感が成人の健康維持に重要であることを突き止めた。
国立精神・神経医療研究センターによると、研究グループは40歳以上の米国人の健康状態を平均11年にわたって追跡調査したデータを用い、睡眠時間と健康状態との関係を調べた。
その結果、働き盛りの中年世代では414分以上の長い睡眠時間が将来の死亡リスクを下げ、331分に満たない短い睡眠時間が死亡リスクを増大させていることが分かった。高齢世代では床の上で覚醒している時間も含めた床上時間が482分以上と長いと、将来の死亡リスクを増大させていたが、睡眠時間と死亡リスクに有意な関係を見つけることができなかった。
睡眠休養感については、中年世代で睡眠休養感のない331分未満の短い睡眠時間が死亡リスクを増加させる一方、睡眠休養感のある414分以上の長い睡眠時間が死亡リスクを減少させていた。高齢世代では睡眠休養感のない482分以上の長い床上時間が死亡リスクを増大させていた。
睡眠休養感は生理的な睡眠充足度を反映していると推察され、簡単に評価が可能な睡眠指標となる。研究グループは健康診断や国民健康・栄養調査などに採用することで成人の健康維持を図るために有用でないかとみている。