一般財団法人全日本情報学習振興協会は、資格試験や国家試験でカンニングしようと思ったことがある人を対象に、「カンニングする人の心理」に関する調査を実施した。調査人数1,057人。

 調査によると、「カンニングをしようと思った動機」について、「絶対に合格したかったから(50.1%)」が最も多く、次いで「試験は結果だけが重要だと思っているから(20.3%)」「悪いことだと知りつつも楽をしたかったから(14.8%)」と続いた。「どのような方法でカンニングしようと思ったか?(複数回答可)」は、「(試験中の)他の人の答案を覗き見る(58.8%)」が最も多く、次いで「カンニングペーパーを用意する(手にメモなどを含む)(35.4%)」と続いた。また、「今まで見聞きした中で驚いたカンニング方法」として、「お金を払って替え玉受験をする(30代/男性/徳島県)」、「試験問題を撮影してツイッターに投稿し、解答を依頼する(40代/女性/三重県)」などの方法があがった。

 「試験監督の目が厳しく“なかった”ら大勢の人がカンニングすると思うか?」の問いには、「とてもそう思う(21.0%)」「ある程度そう思う(48.3%)」と、7割近くが試験監督の監視が緩ければ大勢の人がカンニングすると考えているようだ。

 「どのような試験環境だったらカンニングしやすいと思うか?(複数回答可)」は、「試験監督の監視が甘い(63.6%)」が最も多く、次いで「持ち込みチェックが甘い(39.2%)」「オンライン試験(30.9%)」。「オンライン試験なら容易にカンニングできそうだと思うか?」は、「とてもそう思う(36.6%)」「ある程度そう思う(42.4%)」と8割近くがオンライン試験ならカンニングしやすそうだと考えていることがわかった。

 「カンニングを思いとどまった理由」は、「したくても実際にカンニングするのは無理だと思った(29.5%)」が最も多く、「リスクを考慮すると割に合わない(22.7%)」「バレたら一生が台無しになると思った(17.6%)」と続いた。

 今回の調査から、試験に合格したいと思い余ってカンニングを計画する人が多く、また、カンニングペーパーを用意したり、スマートフォンなどのデバイスで試験問題を流出させたりと、年々カンニングの手段は多様化していることがわかった。実際にはカンニングできないと思って諦めた人も少なくないが、試験監督の監視が緩かったり、持ち込みチェックが甘かったりと試験環境によってはカンニングが起こりやすくなるようだ。さらに、死角が多く、監視の目が届きにくいオンライン試験では、一層カンニング対策を強化しなければならない。

参考:【PR TIMES】【オンライン試験はカンニングしやすいと思われている!?】カンニングしようと思った方に聞いてみた、カンニングしたくなる心理や試験環境とは 

大学ジャーナルオンライン編集部

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