東北大学東北メディカル・メガバンク機構と乳酸菌飲料のヤクルト本社(東京、根岸孝成社長)は、乳酸菌摂取の保健効果を立証するため、数万人規模の大規模疫学研究に共同で入ることを決めた。

 東北大学によると、調査は宮城県気仙沼市、石巻市など同県内7カ所の地域支援センターに来所し、東北メディカル・メガバンク計画の長期健康追跡2次調査に参加する人へ調査票を発送する方式で実施する。調査対象は最大9万人。
調査では対象者が多種多様な乳酸菌飲料、発酵乳の中から常用している製品と摂取状況を回答。長期健康追跡調査で得られた健康情報と統合して解析し、乳酸菌摂取の保健効果を明らかにする。

 乳酸菌摂取は腸内の細菌バランス調整に効果があるといわれているが、これまではがんを含む生活習慣病など特定の疾患に絞った調査で検証されてきた。その結果、再発予防や発症リスクの軽減を示唆するデータも得られている。
しかし、健常者の場合、長期的な予防効果を従来の調査で明らかにすることが難しく、大規模で長期的な追跡調査が必要になっていた。

 東北メディカル・メガバンク機構は今回の調査、解析により、乳酸菌の保健効果に対する科学的裏付けを強化するとともに、これまで明らかにされていなかった疾病や生理機能低下に対する効果を見つけられると期待している。

大学ジャーナルオンライン編集部

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