新型コロナウイルス感染症の拡大でアフリカや米州の大学が収入減に悩まされていることが、国際大学協会(IAU)のオンライン調査で分かった。IAUに加盟する国立大学協会が明らかにしたもので、特にアフリカでは授業料収入の減少に苦しむ大学が少なくない。

 国立大学協会によると、調査は世界112の国と地域にある496の大学など高等教育機関から、新型コロナ感染拡大から1年後の状況を聞き取った。

 収入の安定性は公的資金で運営されている大学が私立大学より若干優れているが、ほぼ3分の1の大学は新型コロナ感染拡大から1年後に公的資金が減少し、憂慮すべき状況に陥っている。

 アフリカや米州など私立大学の割合が高い地域は、資金が減少したところがほぼ半数に達した。授業料収入もアフリカは53%、米州は47%が減少に陥り、大学経営に厳しさが増している。その結果、アフリカの大学は47%が研究費の減少に直面している。

 学生の入学率はおおむね安定しているものの、アフリカと米州は3分の1が減少していた。特に影響が大きいのが留学生で、人数の減少は学位取得を目指す学生より交換留学生に顕著となっている。

 教職員の給与と福利厚生では、減額した大学が増額した大学をわずかに上回った。アフリカと米州では5分の1以上が人員削減に踏み切っている。

参考:【国立大学協会】国際大学協会(IAU: International Association of Universities)がオンライン調査「COVID-19の発生から1年後の高等教育」に係る調査の結果を公表しました

大学ジャーナルオンライン編集部

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