政府が提出していた「国際卓越研究大学の研究および研究成果の活用のための体制の強化に関する法律」(卓越大学支援法)が参議院本会議の可決で成立した。世界トップレベルの研究力を持つ国際卓越大学に対し、大学ファンドから集中的に助成する。

 文部科学省によると、卓越大学支援法は欧米トップクラスの大学に見劣りしない研究力を持つ国内の大学を財政支援し、研究成果の活用を支援する体制を構築するのが目的。10兆円規模の大学ファンドから運用益を集中的に配分し、研究力の向上を支える。

 国内の大学の研究力が欧米トップクラスの大学に劣る理由の1つに資金力が挙げられている。欧米トップクラスの大学が豊富な資金力を生かして高度な研究基盤構築や若手研究者への投資に力を入れているのに対し、国内の大学は資金難から世界的な地位低下に苦しんでいる。

 この差を埋めるために政府が法案を提出したもので、末松信介文部科学相は閣議後の記者会見で「大学は国内外の人が集まり、人を魅了して、人を育成することが重要。世界と伍する研究大学の実現と、地域の大学なども含めたわが国の大学の研究力強化に向けて、引き続き全力で取り組んでいきたい」と述べた。

参考:【文部科学省】「国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化に関する法律」が成立

大学ジャーナルオンライン編集部

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