九州大と福岡空港ビルディング(福岡市、麻生渡社長)、富士通研究所(川崎市、佐相秀幸社長)は、福岡空港の混雑緩和に向け、数理技術を用いて解決策を見つける実証実験を始めました。来年8月まで続け、どのような施設拡充やシステム導入が効果を発揮するのか、シミュレーションで確認します。
九州大の発表によると、今回の実証実験は福岡空港国際線出発手続きの混雑解消が目的。国際線の出発手続きには、受託手荷物検査、チェックイン、保安検査、出国審査の4つがあり、それが全て終わらなければ旅客機に搭乗することができません。4つの手続きで繰り返し待たされると、旅客の満足度が大きく低下することから、数理モデルを構築してそこへ空港への到着時間、各種手続きをするカウンターやレーンの数、1人当たりのサービス時間などをデータとして入力。シミュレーションして各手続きの待ち時間や実際にかかった時間、顧客満足度をはじき出します。
さらに、カウンターやレーン数の変更、インライン・スクリーニング・システムの導入により、待ち時間や顧客満足度がどう変化するかをシミュレーションで確認し、解決策を見つけることにしています。
将来は受託手荷物検査やチェックインなどの手続きでの混雑緩和策、空港内の警備体制についても数理技術を用いて有効な改善策を探す方針です。
※インライン・スクリーニング・システム 航空会社のカウンターでチェックインといっしょに預け入れ荷物を手渡すだけで、自動的にセキュリティーがチェックされるシステム。