法政大学大学院 石山恒貴研究室と株式会社パーソル総合研究所との共同研究において、40歳以上のミドル・シニア社員を対象とした働き方・就業意識に関する大規模調査実施し、活躍しているミドル・シニア社員に共通する5つの行動特性を発見した。
株式会社パーソル総合研究所は、2016年から雇用政策・人材マネジメントを専門とする法政大学大学院 石山恒貴教授をプロジェクトリーダーに迎え、産学協同の「ミドルからの躍進を探究するプロジェクト」を発足。ミドル・シニア層の働き方や就業意識に関する実態など、ミドルからの躍進に影響する要因を定量的に調査分析している。
今回の調査もその一環で、ミドル・シニア社員4,700人を対象としたインターネットによる大規模定量調査と、大手製造業の旭化成エレクトロニクス株式会社・パイオニア株式会社の協力を得て従業員を対象としたインタビュー調査も実施した。
調査の結果、活躍しているミドル・シニア社員に共通する行動特性の調査において、「仕事を意味づける」「まずやってみる」「学びを活かす」「自ら人と関わる」「年下とうまくやる」の5つの特性=「躍進行動」が浮かび上がった。
さらに、従業員300名以上の大規模企業に勤めるインターネットモニター2,300名を対象に行った大規模定量調査で、「躍進行動」の実施に基づくミドル・シニア社員のタイプを分類したところ、
・躍進行動全体が平均を大幅に上回る「ハイパフォーマータイプ」
・躍進行動全体が平均よりやや高い「バランスタイプ」
・躍進行動全体が平均より低い「伸び悩みタイプ」
・躍進行動全体が低めだが“年下とうまくやる”行動は平均を上回る「事なかれ・安住タイプ」
・躍進行動全体がかなり低い「不活性タイプ」
に分けられ、「躍進行動」を実践している割合が平均より高い組織内で活躍しているミドル・シニア社員は、半数近く49.3%存在した。
また、伸び悩んでいるミドル・シニア社員の「躍進行動」の促進に影響を与える要因は、組織内での出世ではなく自身の仕事自体に目を向け、仕事で成長実感や社会貢献性を感じる「自走する力」を身につけることが必要であることもわかった。
参考:【株式会社パーソル総合研究所】法政大学大学院 石山研究室×パーソル総合研究所「ミドルからの躍進を探究するプロジェクト」