国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会の諮問機関・国際記念物諮問会議(国際イコモス)は、インドのニューデリーで開いた総会で九州大学大学院法学研究院の河野俊行教授(59)を会長に選んだ。任期は3年。日本人の会長就任は今回が初めて。

 日本イコモス国内委員会によると、国際イコモスは世界約150カ国の文化遺産保護の責任者らで構成される国際NGO(非政府機関)。会員は1万人以上で、1965年に設立され、フランスのパリに本部を置く。遺跡や歴史的建造物保護に取り組んでいるほか、世界文化遺産の登録に際して事前調査し、ユネスコに登録の可否を勧告している。

 河野会長は国際文化遺産法が専門で、2003年にユネスコ総会で採択された無形文化遺産保護条約の起草に携わったほか、ブータンの文化財保護法整備などに取り組んできた。1986年に九州大学助教授になり、1997年に教授へ昇進している。イコモスの執行委員には2011年に選出され、2014年から副会長を務めてきた。

 河野会長は会長就任を受け「現在の文化遺産保護をめぐる状況は大変厳しいものがある。イコモスの奮闘なくして各国の文化遺産保護や世界遺産は存在しない。全力を尽くして信頼に応えたい」とのコメントを発表した。

大学ジャーナルオンライン編集部

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